加速器が抱えている問題
日本語で加速器というとどうも曖昧な表現だと感じています。
加速器、は詳しくは「荷電粒子加速器」、
charged particle acceleratorです。
加速された荷電粒子は放射線と同じような振る舞いをします。
放射線は主に崩壊しやすい元素が自然と出す高エネルギーの粒子です。
加速器は電気エネルギーを荷電粒子に与えて
高エネルギーの荷電粒子を作り出すものです。
もっとも身近な加速器は蛍光灯とテレビです。
どちらも電子を電圧で加速しています。
加速器には必ずターゲット(標的)がついてきます。
蛍光灯であれば管内の水銀蒸気、
テレビであればブラウン管の蛍光塗料がターゲットです。
高エネルギー加速器のターゲットは主に
元素か、あるいは加速された粒子自身です。
電気工学の発達によって加速器はどんどん大きくなりました。
最初は研究室ひとつ分ぐらいで間に合っていたのですが、
現代ではひとつの県を囲んでしまえるほどの敷地が必要になり
それに合わせて建設予算も雪ダルマ式に大きくなってきました。
先端物理のために、国家予算が必要な時代になっています。
しかしそれでも加速器が作られ続けるのは、
基礎科学の先端を走ることが先進国の象徴であり、
自国の技術をさらに向上させる原動力となりうるからです。
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